キット制作ストーリー「本革ポーチが作れるレザークラフトキット」

『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。

キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「本革ポーチが作れるレザークラフトキット」のお話です。

 

 

憧れのレザークラフトをやってみたい!

レザークラフトは、「いつかやってみたいもの」として、常に上位にランクインする憧れのハンドメイド。Craftie のキットチームの企画会議でもずっと前から「いつかやりたい」リストに入っていました。でも、「難しそう」「道具までキット化できるかな」と躊躇し、実現できずにいたのです。

コツコツとチームで作り上げたキットが30Boxを超える頃、私たちのノウハウもいつしか積み上がり、レザークラフトに向き合える力がついてきました。機が熟したのです。

 

 

とはいえ、革は布のように直接針を刺すことが難しい素材。縫い穴をあけるには専用の道具が必要だし、しかも穴あけにはそれなりのコツがありそうです。

私たちは、特別な道具や設備がなくても作れるレザークラフトの入門キットを作ろうと、さっそくリサーチに乗り出しました。

  

ポーチにも壁掛けにもなる2way仕様に

革小物づくりに必要な素材と道具のリサーチと並行して、私たちが時間を費やしたのは、アイテム決めです。どんなにレザークラフトに興味があっても、作れる作品に魅力がなければ、誰も手にとってくれません。

私たちは、「どのようなキットとしてお届けするか」をいったん脇に置いて、自分たちが欲しくなる革小物のイメージを集め始めました。デスクまわりで使うなら、カードスタンドやペンスタンドもありだし、ふたつきのお道具箱なら、ふたも小物トレイとして使えそう。飲み物のカップに巻くスリーブなら、植木鉢やフラワーベースに巻いてインテリアにも役立ちそう。

さまざまなアイデアを出し合ううちに、私たちは「◯◯にも使えそうだし、◯◯にも使えそう」といった、ひとつのアイテムで複数の用途やスタイリングが楽しめるものを求めていることに気づきました。

こうしてたどり着いたアイテムが、ウォールポケットとしても使えるポーチです。アイテムが決定したところで、どちらの仕様にもフィットする革を選ぼうと、数種類の革を取り寄せます。風合いのあるくたっとした革、ハリのある革・・・手元に届いた革を触ってみると、本当に千差万別! 

 

 

色選びにもとことんこだわり、さまざまな色の中から少しくすんだベージュを選びました。主張しすぎないやわらかい雰囲気は、どんなインテリアにもなじみそう。これなら普段あまり革小物を持たない方でも取り入れやすいはず!

ポーチというメインアイテムが決まったら、もうひと工夫。あったらうれしいプチアイテムとして、同じ革で作ったチャームをつけることにしました。直径43ミリの丸いチャームは、キーホルダーにもちょうどよいサイズです。

 

   

初めてでも楽しく革小物が作れるように

アイテムが決まり、革も決まったところで、「どのようなキットとしてお届けするか」に立ち戻ります。「特別な道具や設備がなくても作れるレザークラフトの入門キット」が、今回のキットのコンセプト。レザークラフトの難しい部分は仕立て済みでお届けして、楽しいところだけが体験できる。そんなキットをめざします。

 

 

今回のキットの制作・監修をお願いしたのは、革製品の企画・製造を手がけるSKLO(スクロー)さん。私たちは、作りたいアイテムとざっくりとしたイメージをSKLOさんに伝え、細かい仕様やデザインをつめていきました。

SKLOさんはレザーのオリジナルアイテムを販売するかたわら、ワークショップも多く手がけるレッスンのプロでもあります。その豊富な経験から、初心者が楽しめる要素は残したうえで、誰が作っても完成度が高くなるようなキットを提案してくれました。

そのアドバイスを受けて、革の裁断や縫製用の穴あけ作業といった熟練が必要な工程は仕立て済みにし、磨き加工や縫製といった、初心者でもレザークラフトの醍醐味が味わえる部分が体験できる仕様にしました。

SKLOさんにキットチームの人数分、裁断と穴あけが済んだ革を用意してもらい、試作会を行います。

1枚の革をポーチに仕立てる前に、まずは専用のクリームで革の裏側を磨きます。ガサガサした表面を磨いていくと、段々とツルツルになり、触り心地がよくなっていきます。手をかけることで天然素材の革がやさしい表情に変わっていく! その感覚が指先から伝わってきてワクワクしてきました。

磨き作業の次はいよいよ縫製。あらかじめ予習をしていたキットプランナーが糸の通し方を実演。糸はろうそくのロウをつけた「ロウ引き」で、この加工により革にあけた穴を通すときの摩擦力が減り、滑りがよくなります。このロウ引き糸もレザークラフトならではの素材です。革の縫製には2本の針を使うのも特徴。ロウ引き糸の両端に針を通して、2本の針を互い違いに穴に通しながらステッチしていきます。 

 


 

革の両サイドから飛び出した糸をぎゅーっと引っ張るのは、快感です!

 

ゴールドの箔シートでCraftieらしさを

熟練が必要な工程を仕立て済みにしたことで、誰が作っても完成度の高いポーチができ上がりました。レザークラフトの入門キットとしてはこれで十分なのですが、Craftie Home Boxのキットとしては、あともうひと工夫、Craftie Homeらしさが必要です。

「誰が作っても完成度の高いポーチ」を、「私だけのお気に入り」にするために、クリエイティブな要素を加えたい。そこで考えたのが、ゴールドの箔シート。このシートを使ってポーチやチャームの表面にデザインを施せるようにしたのです。革に直接貼りつければアーティスティックな気分で装飾ができ、転写シートを使えばイニシャルやモチーフをつけられます。

この箔シートも試作会で試します。ポーチ全面に箔シートをつけたらどうなるか? 小さなモチーフをランダムに転写したらどうなるか? 思いつく限りのバリエーションを試し、きれいに仕上がるか? 無理がないか? をチェックします。

 

 

職人気分が味わえる革の縫製から一変、箔を貼る工程はアーティストやデザイナーになった気分です。正解がない分、少しドキドキしますが、箔をつけると印象がガラッと変わり、私だけのオリジナルポーチが生まれる瞬間に気分がグンと上がります。



さまざまな試作の結果、私たちは4種類の箔デザインを選び、撮影用のマスターサンプルにしました。 

 

箔シートを貼るときのバリエーションとして、イニシャルとして使えるアルファベットの大文字やワンポイントモチーフを入れたデザインシートも作成。この小さなモチーフは、ポーチと同じ革で作った丸いチャームにもちょうどよい大きさを考えました。

 

Craftie Homeが満を持してみなさまにお届けしたレザークラフトキット。持っているだけで心がときめく。そんな上質な暮らしの一端を担えたら嬉しいです。

 

「本革ポーチが作れるレザークラフトキット」はこちら>>

 

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