はじめてのレザー小物づくりに挑戦!革製品の魅力とレザー小物を美しく作るコツとは?

使うほどに味が出て、色合いや質感に深みが増していく革製品。自分で一から制作すると、より愛着の湧くアイテムになります。今回はレザーBoxのキットで制作・監修をお願いした、革製品の企画・製造を行なっている株式会社SKLO (スクロー)の羽田(はねた)さんに、革製品の魅力とレザー小物を美しく作るためのポイントを伺いました。

 

 

革製品の魅力は「使う人に馴染んでいく」こと 

- Q1:羽田さんが、革製品を作るようになったきっかけを教えてください。

第二子を出産後、それまでしていた仕事を続けるのが難しくなり、知り合いの方に革製品を作るお仕事の紹介をいただいたのがきっかけでした。

 

Q2:羽田さんが感じる革製品の魅力はどんなところでしょうか?

革製品の魅力は「使う人に馴染んでいくところ」だと思います。 同じ製品を使用していても、使う人の性格や扱い方などでエイジング(経年変化)の表情が変わっていくところが革製品の面白いところだなと思っています。

 

日々の生活で使いやすい、温もりを感じるSKLOの革製品 

 

Q3:羽田さんからご覧になって、SKLOの革製品は一般的な革製品とどんなところが違うとお感じになりますか?

革を取り入れた「ぬくもりのある暮らし」を提案することがSKLOのコンセプトです。 代表の齊藤が、建築・空間デザイン分野での経験をもとに「日々の生活から」創り出すデザインと、できるかぎり余分なデザインやパーツをなくしたシンプルで使いやすい製品が魅力です。一般的な製品とはひと味違うものづくりの視点が、SKLOの面白いところだと思います。

  

Q4:羽田さんは普段、SKLOでどのような革小物を作っていますか? 

仕事やお出かけに便利なペンスタンド、眼鏡ケース、ドリンクホルダーから、毎日使えるポーチや名刺ケース、革のピアスなどのアクセサリー類まで、幅広いジャンルのアイテムを作っています。 SKLOでは普段の生活に革を取り入れられるよう、シンプルで機能的な革小物を多く製作しています。 

 

レザー小物づくりの醍醐味とは?  

 

Q5:羽田さんがお感じになる、革小物づくりの楽しさや、醍醐味はどんなところでしょうか。

革小物づくりの醍醐味は、ズバリ「コバ磨き」だと思います! ザラザラしている革を磨いていくと、どんどんキレイになっていく過程は気持ちのいいものです。

また、革は食肉産業の副産物なので紙や生地にはない動物の生きた証である「ナチュラルマーク」があったり、乾燥や硬化などを防ぐ「なめし方」によって革の表情が変わったりするのも、革素材の面白いところです。

革小物を作るには、革を裁断し、厚さを調節して、縫うための穴を開けて組み立てて、ひと穴ひと穴縫製する…という手順があります。手間暇かけて下準備するからこそ、完成したときの達成感や愛着はひとしおです。

 

キットのレザー小物を美しく仕上げるコツ 

Q6:今回のキットでは、2種類のなめし工程をほどこした「コンビなめし」を使用しています。そのほかの革素材と比べて、どのような特徴がありますか?

一般的な革製品で使われる革のなめし方は、高い耐久性が特徴の「クロムなめし」と、革らしい色や質感の変化を生むのが特徴の「タンニンなめし」です。 「コンビなめし」は、クロムなめしとタンニンなめしの良いところを生かした方法です。
コンビなめしの革は、クロム由来の耐久性とタンニン由来の経年変化の両方を楽しめるという特徴があります。

 

Q7:今回のキットでは、革を縫うときに「ロウ引の糸」を使用します。一般的な糸と比べてどのような違いがありますか?ロウ引の糸を使うメリットを教えてください。 

ロウ引きの糸は、縫製中に革と擦れて毛羽立ってしまうのを抑えることができるのがメリットです。 また、縫製中に糸が緩みにくく丈夫で切れにくいので、一般的な糸と比べると、ロウ引きした糸の方が革を縫製しやすくなります。

 

Q8:今回のキットではじめてレザー作品に挑戦する方も多いかと思います。はじめてのレザー作品を美しく仕上げるためのコツやポイントを教えてください。

今回使用する革の色は少しくすんだベージュです。 ナチュラルな色合いなので、縫製でロウ引き糸を使用する際には手先がベトついて革が汚れないよう、布の端切れなどで時々手先を拭いて革を美しく保つといいと思います。

縫製の際には、糸を引っ張る力を均等にすると糸締まりがきれいです。 最後にサイドのコバ磨きをしたあとは、開いてしまったコバを布の端切れなどで寝かせるように抑えると仕上がりがきれいに見えます。

完成したら使用前に防水スプレーをかけておくと、水滴によるシミや汚れ防止になるのでおすすめです。

 

Q9:今回のレザーBoxをお買い求めになるユーザーのみなさんへのメッセージをお願いします。

レザークラフトは、興味があっても道具や音の問題でなかなかチャレンジできずにいた方も多いのではないでしょうか。 今回のキットを通して、天然素材の風合いや、厚い革でもひと針ひと針、縫製できることを楽しんでいただければと思います。 完成したポーチがご使用になる方に馴染んで経年変化していく様子を、ぜひお楽しみください。

本革ポーチが作れるレザークラフトキットはこちら>>

  

 

SKLO(スクロー)

革で楽しいことを考える会社「SKLO」。革製品の製作体験ができるワークショップのほか、自社ブランドの製品製作・販売をはじめ、さまざまな会社の革製品の企画・製作(OEM)を行っている。
Instagram :@sklo24

 

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