ラフィアヤシの葉を乾燥させた天然繊維、ラフィア。どんな空間にも馴染んでナチュラルなインテリアを楽しめるのが魅力です。今回はラフィアBoxのキットで制作・監修をお願いしたかご作家 takaneco(たかねこ)さんに、ラフィアの魅力とキットの作品を上手に作るためのコツを伺いました。
魅力たっぷりな万能素材ラフィアとの出会い
- Q1:takanecoさんが、ラフィアで作品を作るようになったきっかけを教えてください。
大学の工芸科(染織専攻)で学んでいた頃、かごづくりを始めることになり、何かよい材料はないかなと糸材料屋さんを訪ねたときに、ラフィアに出会ったのがきっかけです。
- Q2:takanecoさんが感じる、ラフィアの魅力はどんなところでしょうか?
どんなインテリアにも馴染み、糸や布などとも相性がよいところです。湿気にも強く耐久性があるのも魅力だと思います。繊維が柔らかく、色々な表現ができる万能素材なのも魅力です。
暮らしも気持ちも豊かになれる、ラフィアの小物づくり
- Q3:takanecoさんは普段どのようなラフィアの作品を作っていますか?
今は、かごを中心とした暮らしの中で使える雑貨類を多く作っています。
楕円形の細長いかごは、化粧瓶や精油のボトル入れに、小さいかごはアクセサリーや小物入れにぴったりです。
裁縫道具入れにぴったりな蓋付きのかごは、ラフィアと毛糸を芯にして巻いています。あえて芯を見せるようにして巻くと、毛糸の色がところどころ見えておしゃれなデザインになります。
- Q4:takanecoさんが感じる、ラフィアを使った小物づくりの楽しさや醍醐味はどんなところでしょうか?
ラフィアを使った小物づくりの楽しさは、でき上がった作品を長く愛着を持って使えて、豊かな気持ちになれるところです。また、ラフィアに触れていると、天然素材ならではの癒し効果があるのか、気持ちがとても落ち着くところが醍醐味だと感じています。
キットの作品をきれいに作るポイント
- Q5:今回のキットで用いる紙紐を芯にしてラフィアを巻きつける手法は、takanecoさんオリジナルのものだとお聞きしています。この手法を生み出したきっかけや、こだわりのポイントがあれば教えてください。
元々かごが好きで「見たことがないかごを作ってみたい」という思いがありました。南米やアジア雑貨を扱うショップで見つけたかごの竹の部分を紙で真似して作ってみたり、洋書に載っているアメリカインディアンの作るかごの写真を見て麻で作ってみたり、いろいろな研究をするなかで、今の手法にたどり着きました。
ラフィアの巻きつけ方だけでなく、芯材に紙紐を選んだ点もオリジナルです。芯材はラフィアの下に隠れてしまう部分ですが、しっかりした作品を作るための大事な要素です。籐(ラタン)や綿ロープなどいろいろな素材を試しましたが、軽く適度な張りがあり、エコでクオリティにばらつきがない紙紐が最適でした。
- Q6:今回のキットではじめてラフィアを手にする方も多いかと思います。ラフィアの扱い方や作品づくりをするなかで注意するべき点を教えてください。
ラフィアはバラバラにすると扱いにくくなるので、端を束ねたまま使う分だけを引き抜いていきます。また、ラフィアは天然素材なので太さや長さが均一ではありません。細すぎるものは取り除き、束を整えながら使っていくと、スムーズに作業ができます。根気よく、楽しみながら進めてみてください!
- Q7:今回のキットで作れるミニかごとポットマット、それぞれの制作のポイントや、美しく仕上げるためのコツを教えてください。
どちらも、巻いている途中にはラフィアのねじれをとり、平らな面を見せながら巻くときれいに仕上がります。また、下の段に絡ませるときはしっかり引き締めると、緩みなく仕上がります。
ミニかごは、底の面を巻き終えたあと側面を作る際に、立ち上げる向きを間違えないようにしてください。底を巻くときに見ている面が、底面の裏側なので、自分が見ている面の向こう側へ立ち上げるようにします。なかなか立ち上がらないときは、親指で押し上げ、紙紐を引っ張るようにするとよいです。
ポットマットは、真ん中の針金の円をできるだけまんまる(正円)に近づけて作るようにすると仕上がりがきれいになります。一周目を巻いているうちに形が崩れてしまう場合もあるので、一周目が終わったらきれいな円になっているかを確認してから次の段を巻き始めるとよいと思います。
- Q8:今回のキットではラフィアと一緒に毛糸も巻きつけて制作をします。ラフィアと毛糸を比べて、巻きつけ方に異なるポイントがあれば教えてください。
毛糸はふんわりして緩みやすいので、ラフィアよりもしっかり引き締めながら作るとよいです。ラフィアと毛糸、素材を入れ替えたときの質感の違いも楽しみながら作ってみてくださいね。
- Q9:今回のラフィアBoxをお買い求めになるみなさまへのメッセージをお願いします。
巻き始めの部分が少し難しいかもしれませんが、行う作業としては「基本の巻き方」の繰り返しです。コツコツと作業を繰り返していくと、どんどん形ができ上がってくるのが面白いですよ。ラフィアがはみ出してしまったり、なんだか揃わないなと思ったりしても、細かいことはあまり気にせず、まずは進めてみてくださいね! 毛糸は、2色の糸を1本ずつ使い、ミックスカラーにして作ることもできます。お好きなアレンジも楽しみながらトライしてみてください。
かご作家 takaneco
天然素材のラフィアを使い、オリジナルの手法でさまざまなデザインのかごを制作。東京藝術大学大学院美術研究科染織専攻修士課程修了。かごづくり教室や不定期ワークショップなどを開催。環境にやさしい、シンプルなデザインが魅力。
Instagram :@takaneco_basket