DIY やリメイクの幅も広がる ♪
ニュアンスカラーの作り方

くすみがかったニュアンスカラーは、インテリアを格段におしゃれに見せてくれる色。このくすみカラーは、白、赤、青、黄といった原色を混ぜることで自在に作れるって知っていましたか?

この記事では、DIYやリメイクにも使えるアクリル絵の具に着目。ペイント大好きなCraftieメンバーに聞いた色づくりのティップスもシェアしつつ、アクリル絵の具を使ったニュアンスカラーの作り方をご紹介します!

 

アクリル絵の具は「早く乾く」「重ね塗りOK」が魅力

アクリル絵の具は、色の粉末である顔料(がんりょう)をアクリル樹脂で練り上げたもの。水彩絵の具と同じように水に溶けますが、乾燥すると耐水性になるのが特徴です。

 

 

今回、話を聞いたCraftieメンバーは、mimiとreiの二人。mimiは不器用ながらもトライした手芸は数知れず。幼い頃からペイントにも親しんでいるハンドメイド女子。reiは画家として定期的に作品展を開くほどの美術女子です。

アクリル絵の具の使いやすさを尋ねると、二人とも「乾くのが早くて、重ね塗りができること!」と即答。

「失敗してもやり直しがきくのがすごくいい。初心者でも扱いやすいし。それと発色が鮮やかなのが気に入っています」(mimi)

「ちょっとやり直したいなと思ったときも、乾いてから上塗りするだけでいいので、早く仕上げたい人や気軽に修正したい人に向いている画材です」(rei)

 

色づくりは「パレットにどう配置するか」から始まる

mimiとreiには、Craftie Homeのサブスク定期便「プチ陶芸が楽しめるインテリアクレイ」につけたアクリル絵の具4色(白・赤・青・黄)と紙パレットを使って、実際にくすみカラーを作ってもらうことに。

まずは普段、パレットをどうやって使っているか聞いてみました。

「絵の具は色がすぐに混ざらないよう少し離して、でも混ぜる際に面倒にならない程度に近くに、つかず離れずの場所に配置します。いくつかの色を作ってどの色にするか考えたい場合は、混色のパターンごとに少し間を空けてゆるやかな色の円を描いて並べると見比べやすいのでおすすめです」(rei)

 

 

パレットに絵の具を出すときは、「色の系統ごとにパレットを分けるといいかも」とmimi。

 

 

「色を試していると、どうしても広がっていって隣と混ざっちゃったりするから、紙パレットは何枚かに分けて使うと便利。反対色などの一見使わなそうな色もパレットに出しておきます。たとえば、ピンクにする!と決めていても青も少し出しておくとか。使わないと思っても混ぜてみたら色に深みが生まれたりします」(mimi)

偶然の産物であることも多い色づくり。「この色好き!」と思っても、同じ色をなかなか再現しにくいのもペイントの奥深いところ。

「一色できれいに塗りたかったら、ベースにする絵の具の量を増やして、あらかじめ多めに色を作っておくこともポイント」(mimi)

そして、色が混ざらないようにするには、こまめな筆洗いや水替えも大事。

「青系から赤系にするときなど、筆に絵の具がついていたり、水入れの水が濁っていたりすると、地味に筆の色とか水の色がついてしまいます」(mimi)

 

絵の具は「多めに出して、少しずつ混色」がポイント

「パレットに色をたくさん出して、少しずつ混ぜて色の変化を見ながら調整します。色を追加するときは、いきなり混ぜるのではなく、端から少しずつ混ぜて様子を見るのがコツ」(mimi)

 

 

「クレイなどに色塗りするときは、粘土の切れ端を取っておいて試し塗りするのがおすすめ」とmimi。紙とは違うものにペイントするときは、この試し塗り、大事なポイントですね! 

「まずメインの色の絵の具を多めに出し、そこから『暗くしたい』『明るくしたい』『少し○○色っぽくしたい』など、自分のイメージする色に近づくよう調整していきます」(rei)

reiからはさらに筆づかいの細やかなティップスも。さすが美術系!

「筆の毛の部分全体が等しく同じ色になるまで混ぜておくと、実際に塗るときに混ぜる前の色が部分的に濃く出てしまったりする事象を防げるので、色ムラなくきれいに塗ることができます」

 

 

逆に複数の色が混在するような荒い感じを出したいときは、あえて均一にせず、それぞれの元の色を残した状態で描くこともあるそう。

 

色づくりは「限られた色数で練習」が秘訣

表現したい色は、どの色とどの色を混ぜ合わせたらできるのだろう? 混色はペイントの醍醐味でもあると同時に、初心者にとっては難しいところ。まずは美術女子、reiの経験をシェアしてもらいました。

「あまりたくさんの色の絵の具を使わず、34色程度の限られた色数で色を作る練習をすること。自分の好きな色味をイメージしながら混ぜる経験を何度も重ねると、だんだんコツがつかめてくると思います」(rei)

白・赤・青・黄という基本の4色は、まさに色づくりの練習に最適、というわけですね。

 

 

「自分も絵を学んでいるとき、色の作り方や配色に悩んだ時期がありました。ある日、色づかいが上手い人はあまりたくさんの色の絵の具を使っていないことに気づき、それを意識するようになってから色の作り方が上達したと感じています」(rei)

一方、ペイント歴の長いmimiは、「色の三原色」で12色作ってみると、色づくりの要領がつかめるようになるとアドバイス。三原色とは、光の場合は、赤(レッド)・青(ブルー)・緑(グリーン)、色材の場合は、赤紫(マゼンタ)・青緑(シアン)・黄(イエロー)の3色。世界はたくさんの色であふれていますが、原色とは、すべての色の基本となる色のことですね。

「三原色で12色が作れるようになったら、そこに白や黒を使って彩度や明度をコントロールしていくとさらに配色の幅が広がります」(mimi)

「色の三原色」と並んで、色を知る基本となるのが「色相環(しきそうかん)」。「色相環」とは、12色の色(もっと多いものもある)が色味の近い順番で輪っかになったもの。類似色は隣り合わせに、反対色は対角線上に位置する色相環。眺めているだけでも色の感覚がつかめそうですね。

「色相環のイメージを印刷して手元に置いておくと、ちょっとした場面で色に迷うときに役立つので便利です」(rei)

 

ニュアンスカラーは「反対色を混ぜる」「複数色を混ぜる」がコツ

アクリル絵の具の特徴や色づくりの基本を聞いたところで、いよいよニュアンスカラーの作り方の核心へとせまっていきます。

ニュアンスカラーは少しくすんだ色が特徴。その作り方のポイントはズバリ、「少しずつ反対色を加えること」(mimi)と「複数色を混ぜること」(rei)。

下の写真はmimiが作ってくれたパレット。上の段はメインの色を混ぜたもの、下の段は反対色を加えてみたもの。下の段のほうがちょっとくすんだ色合いになっていることがわかりますね。

 

 

一方、「複数色を混ぜる」というreiの方法はご覧のとおり。

「はじめに複数(今回の場合は赤・青・黄)の色を混ぜるとニュアンスカラーの土台となるくすみが生まれます。それからいちばんメインにしたい色を少しずつ加えていけば、色も調整しやすいうえに絵の具の使い過ぎを防げるというメリットも」(rei)

さらに明るくしたいときや暗くしたいときのアドバイスも。

「明るく彩度が低めの色を作りたいときは白を、暗めにしたいときは複数の色を少しずつ加えていくのがおすすめです」(rei)

くすみカラーの明るさ調整の立役者は「白」、というわけですね。

 

「色を見る目」は鍛えられる!

最後に二人に「色を見る目」の鍛え方、色彩感覚の磨き方も聞いてみました。

「好きな画集やドラマ・映画(実写、アニメ問わず)を見るとき、画面全体を観察するよう心がけています。そうすることで自分の好きな色を知ることができるし、その色やトーンがどんな効果を生み出しているかも気づくことができます。

『あ、自分はこういう涼やかな水色が好きなのかも』『似たような色が多く使われているなか、ワンポイントで赤を配置すると絵全体が引き締まるんだな』『この作品に登場する家のインテリア、心が落ち着くのはあたたかな色で統一されているから?』など、多くの発見があるのでおすすめです」(rei)

 

 

「センスよりも知識」と言うmimiも、「自然の色が美しいと思うから、外に出かけたときはきれいな色をたくさん見る。身の回りのデザインや絵画などをたくさんインプットする」と、普段から感性を磨くことが習慣になっている模様。

「自分の好きな色を作る時間は、自分の感覚や感性と向き合う時間でもあります。正解を求めるのではなく、自分がこれ!と思える色を楽しみながら探してみてくださいね」(rei)

「ペイントの楽しさは、思いもよらない素敵な色が偶然生まれてときめきを感じること」(mimi)

 

 

アクリル絵の具で作るニュアンスカラーのお話、いかがでしたか? ペイント・ジャーニー、楽しそう。ぜひお試しを。

 

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