キット制作ストーリー「2種類のコースターが編めるクロッシェ スターターキット」

『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。

キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「2種類のコースターが編めるクロッシェ」のお話です。

 

 

世界中で人気の編み物ブランド「ビヨンドザリーフ」との夢のコラボ!

ある日、Craftieスタッフのひとりが、とっても素敵な手編みバッグを携えてキットチームの試作会にやってきました。バッグを見るや否や「すごーく可愛い!」「自分で編んだの?」「どこのデザイン?」とさっそく質問攻めに。このバッグが「ビヨンドザリーフ」のパターンを使ってスタッフが編んだものでした。

 

 

ビヨンドザリーフは、編み物とファッションを融合したハンドメイドのファッションブランド。ずっと気になる存在だったけど、間近で見ると、やっぱり素敵! ほかと違う! キットチーム全員がそのバッグに魅了され、Craftie Home Boxでもコラボレーションキットを出したい! と、強く思ったのでした。

ビヨンドザリーフが誕生したのは、2014年。ファッション誌の編集に携わる楠佳英(くすのき・かえ)さんが立ち上げたブランドです。きっかけとなったのは、お義父さまを亡くされてから一日中編み物をしていたお義母さまの存在。楠さんは、ファッション編集者としてのノウハウとお義母さまの編み物技術を掛け合わせれば、若い人にも支持される素敵な作品ができるのでは? 編み物に費やす膨大な時間も新しい価値に変えられるのではないか?と考え、ビヨンドザリーフをつくったのです。

 

写真協力:ビヨンドザリーフ https://beyondthereef.jp/

 

楠さんがデザインを考え、高い編み物技術をもったおばあちゃま達が作品を編む。確かな技術とトレンド感あふれるデザインは、たちまち注目される存在に。1つ1つ手作りで大量生産ができないから、製品はすべて完全受注生産。編み手・縫い手・革職人・スタッフなど、たくさんの人が関わっていて作り上げていくストーリーも、お客さまの心にしっかり届き、唯一無二の人気ブランドに成長していったのです。

そんなビヨンドザリーフの門戸をたたき、一緒にキットを作りたいと楠さんに相談。話し合いを重ねながら、ついに夢のコラボ企画が実現することになったのです。

 

コースターのおしゃれなデザインに感動!

Craftie Homeのキットは、常に「はじめてさん」目線。今回のキットも、編み物初心者さんが無理なく、楽しく作れるものにしなくてはなりません。私たちは、基本の編み方がマスターできて、しかも普段使いできるコースターを作ることにしました。

Craftieの意向を楠さんにお話しして、まずはデザインを考えてもらいます。数週間後、ビヨンドザリーフから届いた試作サンプルの画像を見て、びっくり。え、コースターってこんなにおしゃれにできるんだっけ? 作品に添えられたコメントを読むと、鎖編み(くさりあみ)、細編み(こまあみ)、長編み(ながあみ)という、編み物の「基本のき」だけで編めるよう。難しいこと、いっさいなし。まさにデザインのなせる技。さすがビヨンドザリーフです。

 

 

コースターの糸に選んだのは、マニラヘンプヤーンというマニラ麻100%の天然素材。シンプルな編み目でも素材のニュアンス感が出て、おしゃれな仕上がりに一役買っています。このセンスにも脱帽!

 

 

糸の色決めは、Craftieの真骨頂。ビヨンドザリーフのデザインに合うCraftieカラーをとことん模索します。キットチームの試作会では、メンバーそれぞれが別の色を選んで試作。それでも判断するには数が足りず、編み物が得意なメンバーに複数の色糸をどっさり委ねて、さらに試作を追加。コースターショップが開けるほど集まった試作サンプルの中から、色を決めていきます。

最終的に私たちが選んだメインカラーは、どんなインテリアにもなじむ落ち着いたグレージュの「リネン」。アクセントカラーには、華やかさを添える「マスタード」と、存在感のある「エスプレッソ」の2色をチョイス。メインカラーとアクセントカラーの組み合わせ方でさまざまな表情が楽しめるのもポイントです。

 

 

「困ったな」に手を差し伸べるレシピ動画と編み図

キットチームの中には、じつは編み物は苦手、というメンバーもいます。どうにか鎖編みで最初の作り目はできたけど、1段目の細編みでさっそくつまずいて、「え、裏山ってどこ?」となってしまいます。この苦手メンバーの「つまずき」ポイントこそが、レシピを作るうえでのカギになるのです。私たちは、編み物初心者さんが、きっちり理解した後に編み進められるレシピを目指しました。

 

 

レシピ動画では、かぎ針で編む場所や、糸を引き出す時の長さの目安などを丁寧に紹介。目数や段数を変えて調整するようなリカバリー方法も加えました。「困ったな」と思うあらゆるパターンにできる限り対応できるような内容を盛り込みました。

レシピ動画の撮影に協力してくれたのは、ビヨンドザリーフ公式ニッターの吉田美絵さん。ワークショップ講師などの経験も豊富な吉田さんに大いに助けられながら、1工程ずつ丁寧に、ゆっくり撮影しました。

試作会では、レシピ通りの目数・段数で編んでも、指定のサイズに仕上げるというのが初心者には難しいということもわかったので、なぜサイズが変わっていってしまうのか?という原因になるポイントも、注意点として動画のレシピにプラスしました。

表目・裏目の判断の仕方や、目数・段数の数え方など、初心者が理解しにくいポイントは、レシピ動画と紙レシピの両方で紹介。裏山は、ただ編んで見せるだけではなく、「まずここに入れますよ」と、とじ針を使って見せた後に実際に編んでいるところを見せるような構成を考えました。

紙レシピでは、編み図だけではなく、実寸大の写真を入れたのも、工夫のひとつです。見本の写真の上に作りかけの作品を重ねると、サイズ感を比較することが可能。初めから作り直すのか、目数や段数で調整するのかを途中段階で一度立ち止まることができます。 

 バッグとしても楽しめるアイデアも

「編み物初心者さんが無理なく、楽しく編める」ことを第一に考えた今回のクロッシェコースター。でも、やっぱり、コースター以外のアレンジも提案したくなってしまうのが、Craftie Homeのよくばりスピリッツ。

コースターを2枚はぎ合わせて、袋ものができないか? 私たちは楠さんに相談してアレンジ作品を作ってもらいました。

こうしてでき上がった作品が、松編みコースターを2枚つなげたポシェットと、タッセルコースターを2枚つなげたウォールポケットの2アイテム。

 

 

どちらもひもをつけますが、これはコースターで習得する鎖編みでOK。コースターの作り方をマスターすれば、ポシェットやウォールポケットも作れちゃう、という仕組みです。

ビヨンドザリーフに憧れて、いつかはこんなおしゃれなバッグを自分で作ってみたい。Craftie Homeのクロッシェコースターは、そんな編み物初心者さんたちの背中を押してあげられるキットなのです。

 

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