キット制作ストーリー「スタンププリントで作るファブリックポスターと布小物キット」

『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。

キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「スタンププリントで作るファブリックポスターと布小物キット」のお話です。

 

 

おなじみのクラフトをCraftieらしく

日本でまだ見かけない新しいクラフトをいち早くご紹介する一方で、おなじみのクラフトをCraftieらしく提案することもCraftie Homeの目指すところです。

今回のBoxでは、そんなおなじみのクラフトとして「消しゴムはんこ」に着目。日本でブームに火がついて、海外にも広まった消しゴムはんこは、日本では年賀状やポストカードなどに使われることが多いけれど、海外ではファブリックプリントとしておしゃれに活用している人がたくさんいるのです。

 

 

紙ではなく、布に押すことで、「テキスタイルをデザインする楽しさ」を伝え、「暮らしをおしゃれにするアイテム」として提案できたら・・・。そんな思いを胸に今回のBoxづくりが始まりました。

 

上質で使いやすい素材を追求

そうと決まったら、さっそく材料と道具探し。同時にキットデザイナーさんも探します。今回、制作・監修をお願いするのは、消しゴムはんこ作家のTAM’S WORKSの田村梓さん。スタイリッシュなハンドレタリングの作品にキットチームがひとめぼれして、お願いすることに。

消しゴムはんこの主役は、消しゴム印とナイフ。ひとくちに消しゴム印といっても、その硬さや粘り気、耐久性は千差万別。実際に彫ってみない限り、見当もつきません。私たちは田村さんにアドバイスをもらいながら、いくつかの候補を取り寄せました。

 

 

取り寄せた消しゴム印をさっそく試してみます。ゴムが硬いとなかなか彫れません。1つずつ彫り心地を確認しながら、初心者でも彫りやすく、硬すぎないもの、何度押してもきれいに押せる耐久性のあるものを選び出しました。

次はデザインナイフ選び。彫ったときの消しゴムとの相性もチェックします。実際に図案を彫ってみると、刃先が長いほうが広い面を削りやすいことを実感。このポイントも採用です。

 

 

スタンプを押す布は、きれいに押せて見栄えもよい綿麻素材と、細かい文字もプリントできるコットン素材を選びました。

  

試作してみて図案を決める

キットチームのほぼ全員が消しゴムはんこ初心者。私たちは社内の試作会に田村さんをお呼びして、じきじきにレクチャーを受けることに。デモンストレーションでは、消しゴムを彫る田村さんの流れるような手さばきにうっとり。ナイフ1本ででき上がる美しい彫りに感動!

いざ、自分たちも彫ってみます。カッターナイフは日常的に使っているけれど、デザインナイフでモチーフを彫るのは初めて。田村さんから、「彫るときは消しゴムを動かさず、刃を手前に引くように」「細い部分は刃を浅めに入れる」など、基本を教わります。おそるおそるナイフを消しゴム印に当て、田村さんのいう通りに彫っていくと、要らないゴムの部分がぽこっときれいに外れます。
わあ、こんなふうに彫るのね、と、だんだんコツがわかってきて、楽しい気分に。もくもくと彫り続けること30分、ようやく小さな葉っぱのスタンプが完成しました。

 

 

消しゴム印にインクをつけて、ドキドキしながら布に押してみます。そおっと消しゴムをはずすと葉っぱのモチーフが布にくっきり。5cmくらいの小さなモチーフも、布に押してみると満足感があります。早くもテキスタイルデザイナー気分です。

 


 

葉っぱ1つが彫れたことで俄然ヤル気と自信が出てきて、「イニシャルや素敵なフレーズも彫りたい!」と、欲が出てきます。

私たちは調子に乗って、田村さんが用意してくれたフレーズ「Relax」を彫ることに。あれ? 葉っぱを彫っていたときの自信はどこへやら・・・。文字と文字をつないだ細い線が今にも切れてしまいそう。Relax(リラックス)を彫っているのに、全然、リラックスできません。細い線でつながったフレーズを彫るのは、初心者には結構ハードルが高いことを実感しました。

とはいえ、やっぱり、文字も入れたい。私たちはフレーズを入れるのをやめて、彫りやすいアルファベットの大文字の図案を入れることにしました。
「これなら、イニシャルとして楽しめるよね!」

試作会での体験を元に図案を吟味し、最終的にボタニカルモチーフを全17種類、アルファベットの大文字26文字をつけることに。ボタニカルモチーフは、小さな葉っぱや実など短時間で彫れるシンプルなものから、オリーブの枝のような彫りごたえのある大きめのものまで、さまざまなレベルで楽しめるラインナップです。キットにおつけした消しゴム印で大小9〜10種類のモチーフを配置して彫れるように考えました。

 

 

ファブリックアイテムはポスターと巾着

Craftie Home Boxのキットとして打ち出すにあたり、私たちは、「消しゴムはんこ」としておなじみのクラフトを「スタンププリント」と名づけました。年賀状やポストカードがイメージされる「消しゴムはんこ」から、テキスタイルデザインが作れる「スタンププリント」へ。手作りする方法は同じでも、ネーミングを変えることでアプローチが変わり、作れるアイテムのイメージがぐんと広がります。

暮らしを彩るファブリックアイテムとしてまず考えたのが、韓国インテリアなどで人気のファブリックポスターです。でも、まっさらな布にいきなりスタンプを押すのはちょっとハードルが高そう。そこで、気持ちが明るくなるようなフレーズを選び、Craftieオリジナルのポスターを作成し、そこにスタンプを押すスタイルにしました。ポスターはA4サイズが2枚作れるように布に配置して印刷。それぞれに素敵な言葉をのせました。

 


1枚は、マザー・テレサの素敵なフレーズを。
Be Happy in the moment, that’s enough. Each moment is all we need, not more.
その瞬間が幸せなら、それで十分。必要なのは一瞬一瞬で、それ以上ではないのです。

もう1枚は、Craftie Homeのキャッチフレーズでもある、Love Your Homeをハンドレタリング風にデザインしました。

メッセージがプリントされた布に、どんなふうにスタンプを押すか。私たちはいくつかのデザインパターンを作りました。同じスタンプを上下に押したもの、左右を囲んだもの、総柄のように全面に押したもの・・・スタンプの押し方でイメージががらりと変わります。まさにオリジナルのテキスタイルをデザインする気分です。これは楽しい!

 

 

ファブリックポスターのほかに作れるアイテムとして考えたのが、巾着とツールケースです。巾着2個を作るか、ツールケース1個を作るかを選択できるようにしました。

 

いくつあっても嬉しい巾着、収納グッズとして重宝するツールケース。どちらも針と糸を使わずに、布用ボンドで手軽に作れるレシピも考案し、無理なく作れる工夫を凝らしました。

このBoxがお手元に届いたみなさまから、どんなテキスタイルデザインが生まれてくるのか、今からとても楽しみです。

「スタンププリントで作るファブリックポスターと布小物キット」はこちら>>

 

kitstory

← 前の記事 次の記事 →