『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。
キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「かご編みキット」のお話です。
次にお届けするキットは何がいい?
トレンド感のあるおしゃれアイテムで、手作りできるものってないかな? Craftie Homeでは、いつもそんなふうに想像をめぐらせながら、キットのアイテムやデザインを考えています。
Craftie Homeのハンドメイドキットを通じて、おうちに合わせて自分流にアレンジできる楽しさを実感している私たち。「#クラフティホーム」のついたSNSにも同じ作り方で多彩なアレンジ例が続々と登場するのを見て、「そうそう、Craftie Home Boxは、こういう楽しみ方があるのよね!」と、日々、確信を深めているのです。
さて、次にお届けするキットは、何にしよう? おうちを爽やかにアップデートしてくれるものがいいよね。軽やかで、涼やかで、使っても、飾っても、嬉しいものって? それなら、かごです!
かごは、形やサイズ違いでいくつも欲しくなるインテリアのおしゃれアイテム。かごが編めるようになったら、きっと、BOHOスタイルや韓国インテリアみたいな、トレンド感あふれる空間を彩ってくれるはず。そして、同じ編み方でいろいろなアイテムが作れそうな予感も。
初心者でも無理なく編めるのはペーパーバンド!
「次のキットはかご編み!」と決まったら、まずは素材探しです。ひとくちにかごといっても、その素材はいろいろ。私たちは、かご編み初心者でも無理なく編めて、扱いやすい素材を探しました。ラタンも魅力を感じるけれど、水で濡らしながら編む必要があり、初めての人にはちょっとハードルが高そう。そこで注目したのがペーパーバンドです。
ペーパーバンドは撚った紙ひもを数本合わせて糊で接着したもの。自然素材でありながら、ひもを割いて使えば好みの太さでかごが編めるというスグレモノ。カラーバリエーションも豊富なので、さっそく何色か取り寄せて、試作してみることに。
はじめに試作したのはスクエアトレイだった
今回のキットの制作・監修をお願いしたのは、ハンドメイド作家の本山ゆうこさん。ペーパーバンドを使ったかご編みのキャリアも長く、つまみ細工などの細やかな手仕事からパンやお菓子づくりまで、幅広く手仕事を教えている、なんとも心強いキットデザイナーです。
なにはともあれ、まずはキットチームで試作してみないと! ということで、本山さんをお招きし、基本をいちから教えてもらう社内試作会を開催しました。
はじめに私たちが作ってみたのは、もっとも簡単そうに見えたやや大きめのスクエアトレイ。24本どりのペーパーバンドを割かずにそのまま使った、ちょっと北欧っぽいテイストのアイテムです。
「縦のひもと横のひもの真ん中をボンドでとめます。方眼紙などを下に敷くとわかりやすいですよ」と本山さん。“基本のき”を教わりながら、なんとか全員、スクエアトレイができ上がりました。
スクエアトレイができ上がったら、次はキットチームだけの試作&アイテム検討会です。このスクエアトレイのようなかごが、果たしてみなさんが作ってみたいかごなのか? 毎日の暮らしの中で使えるものなのか? 想像力のギアを上げていく瞬間です。
作ったスクエアトレイの高さはバンドの幅1つ分。「キッチンクロスとかを入れるとしたら、もう少し高さが欲しいよね」「小物入れみたいなほうが普段づかいできそう」。作ったトレイを眺めたり、触ったり、ものを載せたりしながら、トレイのある日常を次々と思い浮かべていきます。
小物を収納するための、少し高さのあるかご。「ちょっと作ってみる?」。習ったばかりのスクエアトレイの側面をもっと立ち上げようと自力で編んでいくと、これが大苦戦。ペーパーバンドの幅が広い分、ピンチでひもを固定してもすぐに外れて、ひもが浮き上がり、カオスな状態に。これでは「かご編み」に初挑戦するみなさんも、途中でギブアップしてしまいそうです。
「かご編み」にときめきながらBoxをあけたみなさんが、苦手意識を持つことなく、最後の最後まで楽しみながら作れるキットをお届けしたい! その第一関門は、キット制作者である私たち自身が楽しく作れること。
私たちは、再度、本山さんをお招きし、3回目の社内試作会を開催。どうしたら側面のあるかごを無理なく編み進められるか、直々に教えを乞うことに。
丸底ぐるぐるで「かご編み」の楽しさが倍増!
本山さんに私たちのつまずいた点を相談すると、立ち上げた側面をスムーズに編んでいく別の方法を教えてくれました。それは、ペーパーバンドを割いて細いひもにして、丸い底を作ってぐるぐる編んでいくというもの。ひもが細い分、編みやすく、これなら、「かご編みしています」という感覚にも浸れそう。
「側面を編んでいくと、ひもが浮き上がってしまう」という問題については、本山さんは「追いかけ編み」と「ねじり編み」というテクニックを教えてくれました。この2つの編み方を覚えたら、ひもが浮き上がってしまう問題が見事に解決! 一気にかご編みがスイスイ進むようになり、楽しさはさらに倍増。
1つうまくできるようになると、どんどん制作意欲が湧いてきて「高さを変えたりできるかな」「同じ編み方で平たいトレイもできるかな」と、アイデアが広がっていきました。こうしてみよう、ああしてみようと、試作を繰り返し、この時点で30個を超える試作作品が生み出されました。
3回の試作会の後、さらに各自1アイテムを一人で編むという“宿題”を経て、ようやくキットで提案するアイテムが決定。側面を立ち上げたホルダー、その応用デザインとしてガラスベースを一緒につけたベースカバー、そしてラウンドトレイの3つです。
色は、さんざん迷った末、ベージュ、ホワイト、グレーの3色に決定。ベージュは、くすみカラーのインテリアにもフィットする基本カラーに、ホワイトとグレーはモダンな印象にもなるアクセントカラーとして。
カラフェとグラスを組ませて爽やかに
おうちを爽やかにアップデートしてくれるもの。そんなテーマで、かご編みキットを進めてきた私たち。作品撮影も爽やかなシーンで提案しなくては!
側面を立ち上げたホルダーは、高さを変えてグラスとカラフェを入れて、晴れた日のテーブルシーンで提案したいな。となると、本山さんに実際に撮影するグラスとカラフェをお渡しして、そのサイズに合わせた見本作品をお願いしなくてはなりません。
ということで、かご編みにフィットするグラスとカラフェを探すことに。同じものを使いたいと思うユーザーさんもいるだろうと想定し、入手しやすく、かつ価格もリーズナブルなものを選びました。
カラフェとして選んだのは、IKEAのもので、高さ27㎝。実際にはコルクのふたがついています。
合わせたグラスは、100円ショップのダイソーで購入した「薄GLASS」です。100円なのになかなか素敵なグラスなのです。
撮影当日は、ライムとベランダで育て中のハーブを持参。撮影スタジオにはハーブの香りが漂って、爽やかなテーブルになりました。
ラウンドトレイは、食卓で使うシーンのほかに、BOHOスタイル風にグリーンと一緒に壁に飾るスタイリングも提案。ペーパーバンドで作ったトレイはとても軽いので、ソフト粘着剤で簡単に壁にとめられるのも嬉しい点。
このかご編みキットがみなさんのお手元に届き、今回はどんなふうにアレンジしてくれるのだろう。インスタグラムに現れるみなさんのおうちの写真が、今から楽しみでなりません。
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