『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。
キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「キャンドルキット」のお話です。
おうちに飾ってみたくなるインテリアキャンドルって?
Craftie Homeのハンドメイドキットの中でも、キャンドルは人気アイテムのひとつ。私たちは今までに、ミモザやラベンダーなど、季節に合わせたさまざまなボタニカルキャンドルのキットを生み出してきました。
今回、サブスク定期便としてお届けするにあたり、叶えたいことが2つありました。1つめは、キャンドルづくりが初めての人でも、無理なく、楽しく作れるスターターキットであること。2つめは、インテリアキャンドルとして、おうちに飾ってみたくなるデザインであること。この2つをしかと心に刻み、キットづくりがスタートしました。
企画の段階では、シンプルなグラスキャンドルにおしゃれなラベルをつける案や、可愛らしいティーライトのアレンジなど、さまざまなデザイン案が浮上しました。キットチームであれこれ吟味した結果、ワックスに色をつけたグラデーションキャンドルに決定。このデザインなら新しい作り方を提案できそうだし、おしゃれな空間にもフィットするはず!
「くすみカラー」でグラデーションを作りたい!
グラデーションのキャンドルで肝となるのは、その色合いです。私たちは迷うことなく「くすみカラー」を目指すことに。
くすみカラーとは、ベージュ、グレージュ、くすんだピンクなど、ニュアンスカラーとも呼ばれる優しい色合いのこと。ファッションやコスメはもちろん、インテリアシーンでも大人気のトレンドカラーです。
グレーがかった彩度の低い色合いは、白を基調としたシンプルなインテリアにも、ウッディでナチュラルなインテリアとも好相性。差し色として加えると、ぐっとおしゃれな雰囲気になるのです。
4色の顔料で作れるくすみカラーは数知れず
キャンドルの色づけで私たちが選んだのは、赤、青、黄、ピンクの4色がセットになった固形の顔料(がんりょう)です。見た目はクレヨンのような形状で、これをカッターで削って細かくして、溶かしたワックスに少しずつ混ぜて着色します。この4色を配合して、さまざまなくすみカラーが作れることが、Craftie Home Boxの面白さ。どんな配合で、どんな色合いができるか、さっそく試作開始です。
顔料を溶かすワックスは、透明なパラフィンワックスに、乳白色のソイワックスをブレンド。ソイワックスをプラスすることで、こっくりとした色合いになるのです。
顔料は入れすぎるとあっというまに色が濃くなってしまうので、少しずつ、少しずつ、入れていきます。
赤を入れたら、次は青、黄・・と、色の変化を見極めながら混ぜていきます。緑にするつもりで配合したら、紫になっちゃった・・・そんな失敗を何度となく繰り返します。そのうちに、とにかくいろんな色を足していけば最後はブラウン系にたどり着くことが判明。このブラウン系、ちょっと濃いけど、いい感じ。そう、“完全な失敗”はないのです。
失敗を“個性”や“味”ととらえつつ、失敗を回避するちょっとしたコツを見い出すのは、キット制作でとても大事なこと。この経験の積み重ねが、後々、レシピページのFAQとして生かされ、みなさんの手作りを応援することにつながっていきます。
私たちは、クッキングシートでバッドを作り、そこに色づけしたワックスを流し込んで固める方法を考えました。ミルクチョコやカフェオレ・・そんなふうに呼びたくなる美味しそうな色の板が次々とできてきます。見ているだけでも癒されそう。
この“板チョコ”を、私たちは「キャンドルチップ」と名づけました。名づけたとたん、ワクワク度が2割増しに(笑)。
金箔のマジックにしびれる瞬間
くすみカラーのほかに、Craftie Homeがもうひとつ意識しているものがあります。それは「ゴールド」。シンプル&ナチュラルな空間の差し色としてのくすみカラー。それだけでも十分なのですが、そこにゴールドを少し加えると、キラッとしたきらめきが、ほどよい華やぎをプラスしてくれるのです。
今回のキャンドルでは、どう「ゴールド」を入れ込むか? ひらめいたのが、金箔です。「金箔ホイル」と呼ばれる薄くて軽い「箔」を、キャンドルに混ぜてみたらどうだろうか。思いついたら吉日。さっそく試作です。
くすみカラーのキャンドルチップに、金箔がきらり。でき映えは上々。金箔を入れた小さなキャンドルは、おしゃれな世界観が凝縮されたような仕上がりになったのです。
作り方の監修は創業90年を越えるキャンドルメーカーに
「くすみカラー」や「金箔」といった、実現したいデザインから出発した今回のキャンドルづくり。この作り方が、果たして、みなさんに自信を持ってご紹介できる作り方なのか? そこをきっちりと監修してくれたのが、創業90年を越えるローソク製造メーカーのカメヤマさんです。キャンドル資材や手作りキャンドルの製法にも精通しているキャンドル界のエキスパートなのです。
キャンドルづくりの初心者さんでも、失敗なく、きちんと作れるかどうか。カメヤマさんにも試作と検証をお願いし、顔料を溶かす温度やワックスを注ぐ温度など、細部にわたってアドバイスをもらいました。
何度となく繰り返した試作と監修者のアドバイスを経て、ようやく今回のキットで提案する、キャンドルのデザインと作り方が決定。
色の層が美しい「レイヤーキャンドル」、大理石のような模様の「マーブルキャンドル」、そして、金箔がきらめく「金箔キャンドル」の3つです。
ギフトアイテムにもなるキャンドルチップの新提案
名づけたことで大いに存在感が増した「キャンドルチップ」。あまりにもきれいだったので、キャンドルに入れるだけではもったいない。なんとかそのまま生かせないものか。オーガンジーの巾着袋に入れてサシェにするアイデアが出ました。サシェとは、フランス語で香り袋のことで、香りのするドライフラワーや香料などを入れたフレグランスアイテムです。
「サシェ、素敵~!」「プチギフトにしてもおしゃれになるね」ということで、小さなオーガンジーの巾着袋もキットにプラスすることに。
キャンドルチップ自体には香りがないので、ポプリなどと一緒に入れて、と提案しよう。でも、キャンドルチップ自体に香りをつけたい人もいるよね、ということで、さっそくその方法をカメヤマさんに確認。レシピや記事に書き加えていったのでした。
好みの色を作る楽しみ、レイヤー、マーブル、金箔と、デザインを選ぶ楽しみ、そしてキャンドルチップがサシェになる楽しみ・・・。たくさんの楽しみをぎゅっとつめたキャンドルキット。みなさんのおうちで、どんなキャンドルになって、どんな空間を彩っていくのでしょうか。今夏をともに過ごす、素敵なインテリアアイテムになりますように。
「3種類のインテリアキャンドルが作れるスターターキット」を見る>>
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