キット制作ストーリー「マーブリングアートスターターキット」

『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。

キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「マーブリングアート」のお話です。

 

 

大人気のアートBoxに続くものって?

毎月、さまざまなジャンルのキットをお届けしているCraftie Home。なかでも、クリエイティブな体験が楽しめるアルコールインクアートやテクスチャーアートといったアート系のBoxは大人気。アート系のキットをまとめて購入されるお客さまもいらっしゃるほどです。

「おうちのテーブルで、手軽にできるアート」。そんなコンセプトで始まったアート系のBoxで、私たちが大切にしているのは、絵心がなくても楽しめて、誰が作ってもおうちに飾りたくなる美しい作品ができることです。

 

 

次のアート系Boxは何にしよう? いくつかの候補のなかから「面白そう!」と、キットチーム全員が胸をときめかせたのが、マーブリングアート。作るたびにいろんな模様が生まれそうだし、色遊びも楽しそう! 私たちはさっそくマーブリングアートのキットを作るべく動き始めました。

 

Craftie Homeらしいデザインを求めて

マーブリングアートとは、水溶液に絵の具を落として、水面にできた模様を写し取るアート。15世紀ごろにトルコで生まれたといわれる伝統技法で、艶やかな色彩とこまやかな模様の紙は、書物の装飾などに使われてきました。

私たちは、イタリア・フィレンツェでマーブリングを習得したというマーブリングアーティストのL'aquamarmo(らっくあまるも)さんに制作・監修をお願いしました。

キットに入れる素材のラインナップと並行しながら、作品のデザインを相談していきます。どんなデザインを、いくつ提案するかは、キットづくりの大切なポイント。みなさまに「作ってみたい!」と思ってもらえる魅力的なデザインにしなければ。見た目が美しいだけでなく、「比較的簡単で、失敗が少ない」という点も大事です。

 

 

L'aquamarmoさんのインスタグラムを見ると、これぞマーブリング!といった繊細なピーコック模様もあります。作り方を尋ねると、お手製のクシで模様を入れていくのだとか。

まさに職人技といった感じです。

 

 

Craftie Homeで提案するとしたら、技法のハードルを下げて、抽象画っぽいアーティスティックなデザインがよさそう。私たちは、アルコールインクアートやテクスチャーアートのBoxで、みなさまに好評だったデザインを思い浮かべました。

L'aquamarmoさんによると、技法として最も簡単なのは、絵の具を水面に落とすだけでできるものだそう。これはぜひ採用したい感じです。

 

 

そこからちょっとだけステップアップして、1つだけ道具を使うとしたら? 「竹串1本あれば、模様が作れますよ」とのアドバイス。絵の具を数滴、水面に落として、竹串でぐるぐると円を描いて模様を作るというもの。この技法だと職人技を習得しなくても、マーブリングの繊細さが表現できそうです。さらに「水面にできた円の真ん中を切るように竹串を入れると、ハート模様ができます」と。ハート模様の作品を見せてもらったら、とってもかわいい! 竹串1本でここまでできるなんて、感動です。

 

 

私たちは、絵の具を落とすだけの技法を「ドット」、竹串で模様を作るものは「マーブル」、そして竹串でハートを作るものを「ハート」と名づけ、3つの作品見本の制作をL'aquamarmoさんにお願いしました。見本ができたところで、キットチームでの試作会を行います。

 

紙と色をいろいろ試して

試作会は、マーブリングアートをより深く理解したくて、L'aquamarmoさんにお願いしてプチワークショップ形式で行うことに。

まずはデモンストレーションからスタート。何色かを混ぜた絵の具を筆に取り、トントンと数滴、水面に落とします。すると絵の具がぱっと広がり、水面に次々と水玉模様ができました。水面に紙を浸してそっとはがすと、紙に美しい模様が! これぞマーブリングアートです。

マーブリングの方法を理解したら、さっそく私たちもトライ。1枚作ると次々と作りたくなり、会場は床までマーブリングアートで埋め尽くされました。

 

 

試作会では、紙の検証も大事なポイント。洋紙や和紙をいくつかそろえ、何枚も作った結果、機械漉きの和紙がとってもいい感じです。一般のコピー用紙よりもやや薄めで透け感があり、ほどよいハリ感があるのに、しなやか。マーブリングアートがきれいに表現できました。この紙なら、アートとして美しく飾れるし、ペーパーアイテムにも仕立てやすそう。私たちはこの紙を「マーブリング用紙」として採用。きっとたくさん作りたくなるはず、と、キットには20枚つけることにしました。

紙の検証のほか、もう1つ大切なのは、色の吟味です。今回使う画材はアクリル絵の具。私たちはアート系Boxでおなじみの三原色(赤・青・黄)に、くすみカラーづくりに欠かせないホワイト、そして、おしゃれ感がアップするゴールドの5色をセレクトしました。

 

 

色づくりにおいて、マーブリングアートがほかのアートと異なるのは、作った色を水面に落とす、という工程があること。水面では薄く見えても、実際に紙に写し取るとしっかり色が出ていたりします。予測できないからこそ面白いのですが、とはいえ、色づくりはコツもあるので、できるかぎり教えてあげたい! 私たちは、くすみピンク系、ブルーグレー×クリームイエロー、ベージュ×くすみピンクの3種類の作品見本を作り、カラーバリエーションとして紙レシピで紹介することにしました。

 

 

くすみカラーのポイントは、白をたっぷり入れること。私たちは、赤・青・黄をどのくらいの割合で混ぜたらよいかの配分も示したカラーリングの表も作成。この表は、そのほかのBoxでも使えるので、くすみカラーづくりに取り組んできたCraftie Homeならではのオリジナルです。

 

 

「飾るアート」に加えて「使う楽しみ」も

マーブリングアートのデザインが固まったところで、あともうひとひねり。「飾るアート」に加えて、「使う楽しみ」の提案も考えていきます。

今回、私たちが考えたのは、ミニトレーとミニ封筒。それぞれ型紙をつけて作れるようにしました。ミニトレーは、カルトナージュや貼り箱といった、紙を使った箱づくりをヒントに考案。キットにおつけしたA5サイズのアートで作れるようにしました。

 

 

ミニ封筒は、ギフトに添えるのにちょうどよいサイズ。こちらもA5サイズのアートで作れるデザインで、型紙をおつけしています。

 

 

まったく同じ模様は二度と作れない一期一会が楽しめるマーブリングアート。世界でひとつのアートが、みなさまのおうちを彩る日がとても楽しみです。

 

「マーブリングアート スターターキット」はこちら>>

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