キット制作ストーリー「8種の結びがマスターできる水引スターターキット」

『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。

キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「8種の結びがマスターできる水引スターターキット」のお話です。

 

 

水引が主役のBoxを作りたい

12月はその年をしめくくる月であり、新しい年の準備をする月でもあります。Craftie Homeでは、この月のBoxは新年準備Boxとして、お正月飾りやつまみ細工といった日本の伝統工芸を提案してきました。

いずれのBoxにも名脇役として登場していたのが、水引。お正月飾りやぽち袋、箸袋のアクセントとして、水引の結びをあしらうと、とたんにハレの日を彩るアイテムに早変わり。小さいけれど、存在感バツグン! そんな水引の魅力をもっともっと伝えたい。私たちの思いはどんどん膨らんで、今回、満を持して水引を主役にしたBoxを作ることになったのです。

 


 

紅白からラメ入りまで全13色の水引をセレクト

ついに主役に躍り出た水引。さあ、どうやって提案していこう? 水引はたくさんの色があるので、どの色をいくつ選ぶかが、最初の関門。水引メーカーから水引サンプルや見本帳を取り寄せて、組み合わせ合戦が始まります。

お祝い事に欠かせない紅白とゴールドはマストハブカラーです。Craftie Homeでおなじみのくすみカラーも私たちのキットには欠かせません。この2つのカラートーンを軸に、和モダンな雰囲気の濃いめのカラー、アクセサリーにしたら映えるビビットカラー、華やかさを添えるラメ入りなどを加えて、全13色を選びました。

水引は細いひもなので、そのまま紹介しても魅力がうまく伝わりません。水引メーカーのサンプル帳に梅結びにして見せている写真が載っていたのをヒントに、全カラーで梅結びを作って紹介することに。

 

 

13色の水引を各3本どりにセットし、撮影前にせっせと梅結びを作ります。作り方を理解してから繰り返し何度も作っていくと、だんだんと手が覚えてスイスイ結べるように。きゅっきゅっと1本ずつ引き締めると美しい形が現れます。この瞬間がたまらない! 作れば作るほど楽しくなるクラフトだと実感しました。

 

水引の引き立て役は洋紙と和紙

今回のBoxで主役の水引を引き立てるのは、紙です。さまざまな可能性を提案したくて、洋紙と和紙、両方を入れることに。よくばりCraftie、健在です。

洋紙に選んだのはタント紙。表と裏が同じ色で、表面にほのかな凹凸があるのが特徴です。洋紙×水引で洋風の提案をしてみたい。そんな思いで、くすみピンク、エクリュ、グレージュ、ライトブラウンの4色のくすみカラーを選びました。

 

 

さて、和紙はどう選ぼう? 私たちは和紙専門の企画デザイン会社、WACCA JAPANの森崎真弓さんのアトリエを訪ねました。壁に掛けられた大きな和紙の原紙のなんと美しいこと! 模様が透けて見えるもの、繊維を漉き込んだものなど、さまざまなテクスチャーの和紙に心が奪われました。

森崎さんはテーブルの上にずらりとサンプルを並べて、1つ1つ説明してくれます。水を噴射させて模様を作った和紙、「紗(しゃ)」という布を貼った型紙で模様をつけた和紙、たまねぎの皮を漉き込んだ和紙・・・。素材や製法によってこんなにもバリエーションがあるなんて! 触ってみると質感も1つ1つ違います。私たちは和紙の奥深さにすっかりハマってしまいました。どの和紙も魅力的で、水引と合わせたらきっと美しいハーモニーを奏でてくれそうな予感。そんな期待を込めて選んだのが、バラエティーに富んだ7種類です。

 

  

8種類の水引の結びをとことん丁寧に解説

キットチームの試作会では、複数のネット動画を見ながら、さまざまな結びを試した私たち。水引の結びは小さくて細かな作業。初心者目線で動画を見ながら作ってみると、どのような動画だったらわかりやすいか、また、わかりにくいと思ったのはどんな点か、などが具体的にわかり、自分たちのレシピ動画をどう作ったらよいかが明確になってきます。

今回のキットデザイナーは水引作家の篠原啓子さん。伝統的な結びやしきたりを大切にしながら、新しい素材も取り入れてオリジナル作品を作っている作家さんです。

私たちは篠原さんと相談しながら、レシピ動画で結び方を解説する8種類の水引を難易度順に構成していきました。結び切り、花結び、あわじ結び、梅結び、菜の花結び、玉結び、松結び、そして追いかけの梅結びの順です。

 

 

レシピ動画の補助的な役割を担う紙レシピでは、それぞれの結びの写真、必要な水引の長さと本数、完成サイズ、制作時間の目安を掲載。作る前の準備や再度同じ結びを作るときのガイドとして役立つ情報を網羅しました。

 

 

水引で洋風コーデを提案する新たな試み

キットデザイナーの篠原さんに作ってもらうのは水引の作品まで。これを紙とのコラボでどう作品に仕上げるかは、水引Box担当プランナーの腕の見せどころです。

タント紙を使って担当プランナーが作ったのは、テトラボックス、フラッグ、パーティーコーンといったカジュアルなアイテム。打ち合わせ時に何度も参考イメージや作りかけの写真を確認していたけれど、撮影の数日前にでき上がった完成品を目の当たりにして、思わず目頭が熱くなりました。なんと愛らしい!水引×紙でこんな可愛いアイテムができるなんて!

 

 

撮影時には思いっきり可愛く、カジュアルなテーブルをしつらえました。シュワシュワのドリンクにはフラッグのついたマーカーを、オレンジマフィンにはスティックを。表裏が同じ色のタント紙だから、より可愛く見せることができることも改めて実感。

 


水引の色を選び、それに合わせる紙を選び、暮らしのなかで楽しめる提案を考える。水引Boxは、その1つ1つのステップを「今までより一歩先」「あともうひと掘り」と言い聞かせながら作り上げました。このBoxがみなさまの手に渡り、「こんな使い方もできるよ!」と、嬉しい便りがたくさん届くことを心待ちにしています。

 

「8種の結びがマスターできる水引スターターキット」はこちら>>

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