8種類の結びから広がる可能性にワクワク♪水引の魅力と美しく結ぶコツ

曲線美と繊細さが魅力の水引。日本の伝統工芸でもあり、現代ではさまざまなシーンで楽しむことができます。今回はそんな水引作家の篠原啓子さんに伺いました。

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身近な伝統工芸、水引の魅力

- Q1:篠原さんは金沢在住時に、町の伝統工芸である水引細工に魅了され制作をはじめたとお聞きしています。当時、水引細工のどんなところに魅せられたのでしょうか?

当時(約10年前)はまだ水引といえば紅白のみのイメージでしたが、金沢に引っ越した際に彩り豊かな水引アクセサリーや水引小物をあちこちで見かけ、カルチャーショックを受けました。

それまで水引は職人さんたちが作る「敷居の高いもの」という認識でしたが、近所のママたちがお茶をしながら作っていたり、近くのお店で材料が簡単に手に入ったりして「とても身近なもの」に感じました。自分の趣味やコミュニケーションツールとして、私も水引細工を作りたい!と魅了され、すぐに制作をはじめました。

 

Q2:篠原さんが感じる水引結びの楽しさはどんなところですか?

色や結び、素材の組み合わせで、作品の可能性が無限に広がるところです。お祝いのシーンはもちろん、普段の生活にも取り入れられて、和にも洋にも使えます。
また、色や結びの組み合わせ次第で季節も感じられるところもすごいと思います。特別な道具をそろえる必要がなく、自分の手とハサミがあれば簡単にはじめられるのも魅力です。

 

キットで作れる8種類の結びの特徴と制作のポイント

Q3:今回のキットでは全部で8種類の水引の結び方をマスターすることができます。それぞれの結び方の特徴や、上手に作るためのポイントを教えてください。

結び切り

「一度きりで繰り返さない」という意味があり、お祝いや弔事だけでなく、アレンジなどいろいろな場面で使われます。たて結びにすると結びの先が下向きになってしまうので、向きに気を付けてしっかり引き締めてください。

 

花結び

1本取りだとかわいらしく、複数本だとかしこまった印象に仕上がります。ほどきやすいので、何度繰り返してもよいお祝いごとに使われることも多いです。緩まないように結び目を押さえながら形を整えると、きれいに結ぶことができます。

 

あわじ結び

水引の基本となる結びで、引けば引くほど結びが強くなり「末永くお付き合いを」という意味を持ちます。 今回学べる結びでもある「結び切り」の一種のため、一度だけのお祝い事に使われます。最後に形を整える際に縮める作業では、左右をいっぺんに引かないで、それぞれ1本ずつ順番に丁寧に引くようにしましょう。

 

梅結び

あわじ結びからさらに発展した形で、よりしっかりと結ばれていることから、結婚式などでよく使われます。 梅は魔除けの縁起物のひとつであり、5枚の花の形が可愛らしくお祝いにぴったりの結びです。水引が重ならないよう注意し、並びが変わらないように気を付けて結んでください。

 

菜の花結び

正方形でもひし形でも制作を楽しめます。玉結びの練習になるので、玉結びを作る前に結んでみましょう。スタートの大きさに余裕を持たせて、均一に引き揃えていくようにします。

 

玉結び

和風にも洋風にも取り入れやすく、人気のある結びです。力加減を均一に引くようにして、常に球体になるように意識しながら結ぶときれいに仕上がります。

 

松結び

基本の結びのなかでは難易度は高めですが、完成すると達成感がある結びです。大きさを縮めるときには、あわじ結びから丁寧に引いていくようにしてください。

 

追いかけの梅結び

立体的な結びで、いろいろな作品への応用がききます。輪を手前に引き抜くところと、5つ目の輪の手順を間違えないように注意してください。

 

幅広いシーンで楽しめる水引の可能性

Q4:今回のキットでは追いかけの梅結びと花結びを使って、スズランのモチーフを制作することができますが、それ以外に基本の水引結びを用いて作れるモチーフはどんなものがありますか?

ミモザ以外にも、いろいろなお花のモチーフを作ることができます。
たとえば玉結びと花結びでミモザを作ったり、

 

追いかけの梅結びをアレンジしたもので桜を作ることもできます。

 

ご紹介した結びの組み合わせはあくまでも具体例で、モチーフの作り方に決まりはなく、制作者のイメージで結びを組み合わせて作ることができます。お好みの形や大きさ、用途、難易度によってモチーフの組み合わせを考えるのも、楽しみ方のひとつです。

 

Q5:今回のキットでは和風だけでなく洋風のスタイリングやアクセサリーとしての楽しみ方も提案していますが、篠原さんは普段どのようなシーンで水引を楽しんでいますか? おすすめの楽しみ方があればぜひ教えてください。

 

 

普段の生活ではお菓子のラッピングに使ったり、集金を渡すときの袋にモチーフを付けたりしています。

アクセサリーにも活用しています。普段使い用には、ヘアゴムやブローチやピアスなどを作っています。特別な日には、娘の七五三の髪飾りやお雛様の飾りも作りました。

他にもお子さんの成人式や卒業式の髪飾りを作ったり、職場に季節のちょっとした飾りを作って飾ったりすることもできます。結婚式のウェルカムボードや、リングピローにもおすすめです。

 

Q6:今回のキットではじめて水引結びに挑戦するという方へ向けて、篠原さんからのアドバイスをお願いします。

最初は1本の水引から練習して、少しずつ本数を増やしていくことをおすすめします。また、短い水引よりゆとりのある長さで練習した方が上達しやすいです。もし結びの途中で並びが乱れた場合は、はじめからやり直した方が早く、よりきれいに仕上がります。

複数本で結ぶ際には、慣れるまでは絹巻き水引を使ったり、違う色の水引を選んだりすると分かりやすいです。最後の仕上げのときに、ワイヤーが苦手な方は接着剤で処理をして完成させてください。まずは難しく考えずに、楽しく制作してみましょう。

 

Q7:今回の水引Boxをお買い求めになるユーザーのみなさんへのメッセージをお願いします。

水引細工は日本の伝統工芸で敷居の高いものと思われる方も多いですが、クラフトとしては必要な道具が少なく、はじめやすいのが特徴です。人と人のご縁を結ぶアイテムとして、身近なところからぜひ取り入れていただけると嬉しいです。

水引をご自身の趣味の時間として楽しみ、大切な方を思いながらその時々の場面を彩っていただけたらと思います。水引の結びを通して、心豊かに過ごしていただけますことを願っています。  

 

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篠原啓子(水引作家)

水引アクセサリー huit K(ユイットケイ)。金沢在住時に町の伝統工芸の一つである水引細工に魅了され、水引の制作を始める。伝統的な結びやしきたりを大切にしながら、新しい素材との組み合わせも取り入れ、オリジナルの作品を創作。ハンドメイド作家として、イベントでの販売やオーダー制作を行う傍ら、カルチャークラブの水引講座や、水引アクセサリーや小物のワークショップやレッスンを行っている。
Instagram :@yuittokei

 

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