『Craftie Home Box』は、毎月さまざまなハンドメイド体験をお届けするサブスク定期便。季節によって衣替えするように、シーズナルな小物を自分で手作りしたり、少し手を加えたりすることで、おうちが自分だけの愛おしい場所になったらいいな。そんな思いから生まれました。
キットづくりの着想から完成まで、キットチームの舞台裏を紹介する制作ストーリー、今月は「マクラメとクレイで作るボタニカルハンギング」のお話です。
人気ジャンルを一緒に楽しめるBoxを
Craftie Home Boxは、毎月、違ったジャンルのハンドメイドをお届けしています。そのジャンルは、アート感覚で色や造形を楽しめるものと、編む・刺す・結ぶなどの技法を楽しめるものの2つに大きく分かれます。
Box第1号となったマクラメは、技法が楽しめる後者のBox。さまざまなアイテムを取り上げたなかでも、おうちでグリーンを楽しめるハンギングが大人気。キットチームのメンバーも愛用し続けているヒット商品となりました。
このグリーンが楽しめるハンギングを、アート系のハンドメイドとコラボレーションできないだろうか? 今までCraftie Home Boxで手がけてきたアートのジャンルで、「結ぶ」という楽しみにプラスできるものってなんだろう?
今までのキットを並べてみたり、みなさまが作ってくださった作品写真を眺めてみたり。ひらめきをくれたのは、インテリアクレイのBoxで、アンバサダーのmainelemonさんが作ってくださったフラワーベース。私たちが提案した作品とはひと味もふた味も違う、独創的かつスタイリッシュな作品で、キットチーム一同が大感激した作品です。
こんなふうにクレイをスタイリッシュな「プロダクト」のように見せながら、マクラメとコラボレーションしてみたら素敵かも。「インテリアクレイ」でなくて、今度はそう、「ボタニカルクレイ」として!
「ボタニカル」をテーマに、クレイでパーツを作って、マクラメでつないでいく。人気アイテムのハンギングは、そんな合わせ技にぴったり。パーツからすべて自分で作るので、きっと達成感も得られるはず。お部屋に飾って楽しめるように、グリーンにはエアプランツを合わせて・・・。イメージがかたまりました。
こだわったのは、手作り感がですぎないこと
インテリアクレイBoxのときは、「プチ陶芸気分に浸りながら、憧れのインテリア小物が自分で作れる」ことを目指したのですが、今回はハンギングという実用品なので、よりデザインプロダクトっぽい、端正な仕上がりを目指したい。手びねりのようなぽってりしたものではなくて、シュッとしたスタイリッシュなフォルムのものを。
手作りのぬくもりは大切だけれど、手作り感が出すぎないよう、作る工程でも工夫を凝らしました。
クレイは手で捏ねた後に、のし棒で伸ばすのですが、そのときの厚さが一定になるように、割り箸を利用したのもその1つ。
穴をあける工程も、きれいな正円ができるように抜き型をつけました。
いくつも試作品を作りながら、最終的に4つのハンギングに絞り込みました。大小のアーチをつなげたもの、雲形のもの、しずく形のもの、そして小さなリングをつなげたものです。エアプランツが飾れるハンギングだけでなく、生花も生けられるように、クレイを土台に試験管ベースを加えた一輪挿しもラインナップに加えました。4種類のハンギングと大小2個のフラワーベース。バラエティに富んだアイテムがそろいました。
インテリアのトレンドも入れ込みたくて、人気急上昇のテラゾー(人造大理石)をイメージしたカラーチップもつけることに。
マクラメは基本の「平結び」を発展させて
クレイのデザインが決まったら、次はマクラメです。まずは、こんな感じに吊るせたら・・・というイメージで試作品を作ってみます。おおかた形が決まった段階で、マクラメの制作・監修をお願いするメルヘンアートの藤澤美月さんに相談。
藤澤さんには「平結び」をアレンジしたさまざまな結び方を教わりました。ゆるっと軽やかに見せたい部分は「巻きつけ結び」、しっかりとした縄のように見せたい部分は「ねじり結び」、ポコポコとした愛らしい形にしたかったら「左右結び」・・・。結び方をほんの少し変えるだけで、さまざまな表情が生まれることに感動!
吊るす部分を作るときに覚えておきたい「まとめ結び」や「ひと結び」、クレイにマクラメをとめるときに便利な「巻結び」も加えて、全部で7種類の結び方を紹介することに。
すべての結び方は、マクラメが初めての方でも無理なく、楽しく結べるように、レシピ動画で丁寧に紹介。これだけ覚えたらバリエーションも広がって、ハンギングづくりがますます楽しくなりそう。
おすすめのエアプランツを紹介したい!
ハンギングを彩るグリーンは、土の要らないエアプランツを合わせます。エアプランツは、今や100円ショップでも手に入るお手軽グリーン。エアプランツを提案するなら、エアプランツの特徴や種類、お世話の方法もしっかり把握して、それぞれのハンギングにおすすめのエアプランツを紹介したい!
私たちは完成したハンギングを携えて、二子玉川にあるグリーンショップ「プロトリーフガーデンアイランド玉川店」を訪ねました。地下2階のフロアには、さまざまなエアプランツがズラリと並んでいます。100円ショップでお見かけする何十倍ものバリエーションにびっくり。なかには私たちの顔くらいの大きさのものもあります。
*写真協力:プロトリーフ
*写真協力:プロトリーフ
お話を伺ったのは、店長の佐藤健太さん。佐藤さんにハンギングに似合いそうなエアプランツを選んでもらい、持っていったハンギングのマスター作品と1つ1つ合わせてみます。まるでハンギングとエアプランツのお見合いみたいです。
「葉先がピンクのものは、インテリアのアクセントにもなりますよ」と、佐藤さんがおすすめしてくれたのが、イオナンタ。比較的安価で種類も多い品種だそうで、近くで見ると本当に葉先がピンク。わぁ~可愛い! 表情の違う2種類のイオナンタは、アーチハンギングと雲形ハンギングに飾ることにしました。
シンプル&スタイリッシュなティアドロップハンギングには、銀色に見える葉が美しいテクトラムがベストマッチ。しずく形のフォルムから銀色の葉先が飛び出す姿がなんともフォトジェニック。クレイで作ったハンギングにエアプランツを合わせて本当によかった! そう思った瞬間でした。
ひもを結ぶだけで模様が作れるマクラメと、アーティスティックな造形が楽しめるクレイ。素材も、作り方も、作れるものも違う2つをミックスした今回のBox。マクラメ×クレイというコラボレーションで、グリーンのある暮らしがいっそう楽しくなりますように。